政治思想で「ポピュリズム」という
思想があります。
世の中には“エリート”と、“その他大勢”という
2つの種類の人間がいるのですが、
“その他大勢”の声にこそ耳を傾けた方が
良い、というのがポピュリズムです。
「大衆迎合主義」とも言います。
一見、素晴らしい思想なんですけど、
かなり危ない思想でも
あると思います。
テレビ番組とかで考えるとわかりやすいと
思うんですが、お笑いをわかってない人が
テレビ番組にクレームを入れることで、
番組がつまらなくなっちゃうことって
あるじゃないですか。
例えば有吉さんが出川さんをイジって
笑いを取っている、と。
そこで、お笑いを知らない
素人がそれを見たときに
「有吉が悪口言ってる」
「出川さんかわいそう…」
とか言って、番組にクレームを入れる、と。
そこで番組制作側がそのクレームを
真に受けて「有吉さん、あまり出川さんを
イジらないようにお願いします」と
言っちゃうと、もう番組はつまらなく
なりますよね。
お笑いファンからしたら、誰もが
「これは有吉と出川のネタだ」と
わかるんです。
でも、知識がない人から見ると、
お笑いのネタというのが理解できず、
いじめてるように見えてしまう、と。
ここで、番組制作側が、お笑いファンでは
ない人の意見を聞いてしまい、
番組づくりをそっちに寄せちゃうこと。
これが、政治思想で言うところの
「ポピュリズム」なんですね。
政治もお笑いも、素人の意見を
まともに聞いてしまうと、
劣化していってしまう。
だから、何も知らない素人の意見と
いうのは、そんなに聞くものでは
ないのです。
安倍さんはそれをよくわかっていて、
大衆の声よりも、自分の信念に基づいて
政治をやっていた。
もちろん、国民を無視しているわけでは
ありませんが、国民やマスコミや
辻元さんや志位さんなんていうのは
そこまでの知見を持っていない、
ということを踏まえた上で意見を
聞き流していたわけです。
そういう人たちの批判の声よりも、
「こうすれば国が良くなる」という
安倍さん自身の考え方を信じていたと
思います。
対して岸田総理は、なんか国民や
マスコミの言うことを気にしてて、
世論によって政策が変わったり
してるじゃないですか。
統一教会問題への対応がまさに
そうですよね。
世論に流されて「国民はこう言ってるから
こうしよう」と、そういうこと
ばかりやっている。
LGBTのこともそうです。
はっきり言うと、大半の国民や
マスコミっていうのは、
政治のことなんてわかってないまま
政治を評価しているわけですよ。
だから、必ずしも世論が正しいと
いうことはないんですね。
岸田さんからイマイチ信念が
感じられなくて、
政治に詳しい人から見たら
「この人何がしたいんだろう？」と。
いろんな人の意見を聞いて
バランス取ってるだけじゃない？という
見え方になるわけです。
まぁ、とはいえ、政策責任者である
萩生田さんが優秀なので、
そんなに間違った方向には
進んでいない、という印象。
菅さんや二階さんなど、
しっかり岸田さんに物申せる人が
いるのも良いことでしょう。
「聞く力」も大切かもしれませんが、
もっと岸田さん自身が
「こういう日本にしたい」という
信念を見せて欲しいものです。
まぁまぁ、それでも岸田さんは
よく頑張ってる方だと思いますけどね…
