斎藤の現役最終登板は、
四球で終わりました。
そのときに栗山監督がかけた言葉が、
「これが佑樹の見せてきた姿だ。
かっこよかったぞ」と。
これはめちゃめちゃ良い言葉だと
思うのですが、この言葉の意味は、
斎藤が歩んできたプロ人生を
知らないとわからないと思います。
斎藤のプロ野球人生というのは、
期待されながらも怪我に苦しんだ
野球人生です。
ルーキーイヤーにそれなりに
活躍して、プロ２年目には
開幕投手に指名された。
順調に階段を登っているように
見えたのですが、そこから苦しんだ。
肩のコンディションが悪くて
思うような結果が出ず、
どんどん活躍していく。
その同世代の投手と比べられたりも
するので、肩のコンディションが悪いと
いうことを知らない奴らが、
「斎藤はやっぱダメだな」と
ボロくそ言うわけです。
「斎藤は期待外れだ」みたいな記事も
いっぱい出ましたよね。
それでも斎藤は戦力外にならない。
なぜ戦力外にならなかったか。
その理由の一つが、後輩たちに
与える影響力があったからだと
思います。
かつてのスターが、結果が出ずに
ずっと苦しんでいる。
それでも、苦しみながらも逃げずに
ずっと結果を出そうと頑張っている。
そういう姿が後輩に与える好影響って
いうのは、計り知れません。
斎藤は周りから何を言われようとも
とにかく一生懸命頑張った。
頑張ったけど、結果が出ない。
それでも諦めずに頑張り続ける。
そして最終登板で、あの四球なわけです。
今までずっと苦しんできた斎藤が、
最後まで報われないっていうのは
酷な気もしますが、
ある意味、斎藤らしい最後だなと。
苦しんできた野球人生の象徴だなと
いうことで、「これが佑樹の見せてきた
姿だ。かっこよかったぞ」という
栗山監督の言葉が生まれた。
「結果が出ないけどずっと諦めずに
頑張ってきた」というのが
斎藤の野球人生です。
並の人間がこれと同じくらい頑張ることは
できないと思います。
