山口のひとりごと。。

「ひとりごと」ですので、「そんな見方もあるんだな」くらいで流してもらえれば。

【THE W】お笑いの審査に正解はないというのを、視聴者は理解するべき

昨日、女芸人No.1決定戦の

THE Wが開催されました。

 

あまり見れなかったのですが、

天才ピアニストが優勝したそうですね。

 

天才ピアニストといえば

上沼恵美子さんのモノマネで

ブレイクしましたけど、

普通のネタもものすごく面白いですからね。

 

 

ただ、優勝本命と思われたAマッソが

ブロック勝ち上がりもできず

まさかの敗退ということで、

今年もネットが荒れたようです。

 

「意味がわからない」

「審査がおかしい」みたいなことを

ネット上で言う人がいるわけですよね。

 

まぁ、ツイッターとかで

それを言うのは良いとしても、

ヤバい奴は審査員のSNSに直接

文句を言いに行きますよね。

 

それは、やめて欲しいですね。

 

 

 

まず、お笑いをどう見るかっていうのは

人それぞれなんですよね。

 

例えば、ドリフと吉本新喜劇

どっちが面白いですか?っていう

問いに対して、正しい答えなんて

ないわけですよ。

 

でも、それを決めなきゃいけないと

いうのが審査員。

 

すごく難しい仕事なわけです。

 

言ってみれば審査員本人にとっては

何の得もない仕事なんですが、

お笑い界の発展のために

誰かがやらなきゃいけない。

 

だからこそ、審査員という大役を

引き受けてくれる、と。

 

 

しかもTHE Wというのは、

いろんなネタの異種格闘技ですよね。

 

それこそ、審査員の麒麟・川島さんは

「カツ丼と青空どっちが好き?と聞かれて

いるような、哲学的なネタの争い。

全ての賞レースの中で1番難しい審査」と

言っていました。

 

正解がないことに対しての審査ですから、

ものすごく大変だろうと思います。

 

それと、異種格闘技ということで、

審査員の人選も難しいですよね。

 

M-1なら漫才をわかってる人、

キングオブコントならコントを

わかってる人で良いんですが、

THE Wは誰に審査してもらえば良いのか

わからない。

 

今回の審査員は、

ドランクドラゴン・塚地さん

麒麟・川島さん

アンガールズ・田中さん

笑い飯・哲夫さん

友近さん

マヂカルラブリー・野田さん

 

の6名でした。

 

塚地さんと田中さんはコント師

川島さんと哲夫さんは漫才師。

 

野田さんは漫才もコントもピンネタもやる

オールマイティで、

友近さんも、ピンコントからキャラネタ、

歌ネタ…といろんなネタをやっています。

 

コント師2名、漫才師2名、

オールマイティが1名と

ピン芸人が1名ということで、

審査員の構成はバランスが取れて

いますよね。

 

 

 

それで、せっかくなのでそれぞれの

審査員を分析すると、

まず塚地さんは若手のとき、

エンタの神様に毎週のように

出ていたんですよね。

 

毎週新ネタを作らなければいけない。

 

しかも、はねるのトびらにも出ながら

それをやっていたわけですから、

ものすごく過酷ですよね。

 

そんな大変な思いをしながら

ストイックにネタに向き合ってきた

人ですから、当然ネタのことは

よくわかっているわけです。

 

 

 

次に、川島さんは、昔のM-1グランプリ

湧かせた主力選手ですよね。

 

笑い飯、千鳥、麒麟あたりが

M-1グランプリの発展にすごく貢献した。

 

大喜利もめちゃめちゃ得意だし、

最近はMCの仕事も増えてきて、

ラヴィットという番組では

ひな壇の若手芸人を上手く生かして

頑張っていますよね。

 

だから若手芸人にものすごく慕われていて、

視聴者から見ても文句なしで面白い、

そしてこれだけ売れっ子になった今なお

吉本の劇場で漫才をやっている。

 

審査員として文句なしで適格です。

 

 

 

田中さんも、ショートコントで

「ジャンガジャンガ」ってやって、

ネタをしっかりやってきた人です。

 

2017年にはキングオブコントの決勝に

進出しています。

 

アンガールズなんて既に売れっ子で、

キングオブコントで優勝したからといって、

仕事が増えるわけでもない。

 

なのに挑戦して、決勝まで

行っているわけですから、

ネタにかける思いは相当強い、と。

 

たまーにネタ番組でコントを

やっているのを見ても、

どのネタもちゃんと面白いですよね。

 

それと、にちようチャップリンなどで

若手のネタを的確に分析することにも

元々定評がありましたから、

こちらも審査員として相応しい人です。

 

 

 

笑い飯の哲夫さんも、

M-1チャンピオンですから

ネタで結果を出した人ですよね。

 

それも、いきなり優勝!ではなく、

何回も何回も決勝に出ながら

あと一歩で負け続け、

最後にようやく優勝した、という

苦労人です。

 

なので負ける人の気持ちもわかるし、

負けても諦めずに挑み続けたということで、

ネタをかなり磨いてきた、と。

 

漫才のことを知り尽くしているし、

賞レースというものを理解している

人でもありますから、

やはり審査員に相応しい。

 

 

 

友近さんは、やっぱり女性芸人で

ネタが強い人、というのが大きいですね。

 

ピンのコントだったり

モノマネ、歌ネタ、

「ディラン&キャサリン」などの

ユニットコント…

 

本当に芸が多彩な人です。

 

女性芸人でネタが面白い人は誰か?と

聞けば、きっと多くの人が友近さんを

まず思い浮かべますよね。

 

だから、もはや好き嫌いだけで

審査をしても良いくらいのレベルの

芸人さんだろうと思います。

 

 

 

最後に、マヂカルラブリーの野田さん。

 

野田さんが凄いのは、正統派というより

我が道を行くタイプなんですけど、

どの賞レースでも結果を残していること。

 

M-1とR-1で優勝し、

キングオブコントでも決勝進出。

 

そういう実績があるし、

それプラス、芸風が我流の人ですから、

正統派ではないネタに対しても

理解できる審査員、ということで、

貴重な視点を持っていると思います。

 

 

 

 

…と、このように、

どの審査員も長年お笑いを極めてきた

人たちですから、それぞれ

お笑い論を確立していて、

審査員として適格の人物なわけです。

 

そして繰り返しになりますが、

お笑いの審査に正解はないということで、

例えば審査員6名中5名がAのネタに

投票して、1人だけBのネタに投票したと

しても、その人が感覚がズレている、

ということではありません。

 

正解のない審査に対して、

他の審査員とは違う視点で審査が

できている、ということです。

 

みんな視点が一緒なんだったら

審査員は1人でいい訳ですが、

正解のないものを審査しているので、

いろんな視点があった方が良いに

決まっている、と。

 

審査員のみなさんはそれぞれの基準で

しっかり審査をしてくれていて、

かつ審査員の構成もコント師、漫才師、

ピン芸人といろんな芸風の人がいて

偏っていない。

 

公平な審査が行われていることは

疑いようもないと思います。

 

 

Aマッソのファンは「審査員は

Aマッソの魅力をわかっていないんじゃ

ないのか」と思っちゃうのかも

しれませんが、むしろわかってないのは

視聴者の方なんですよね。

 

視聴者の方が、お笑い論だったり

Aマッソ以外の出場者の魅力を

わかっていない。

 

これだけお笑いを極めている

審査員の人たちに対して、

素人が「審査がおかしい」なんて

言うのはおかしいと思うんです。

 

だから、プロの審査に対して

素人が文句言うのは辞めませんか?と

思いますね。

 

自分の好きな芸人が負けたからって

審査員のSNSに攻撃しに行くとか、

人として論外だと思いますけど。