「魚類の生殖腺と肝臓と筋肉におけるNO活性について」
~研究目的~
魚類の生殖腺、肝臓、筋肉の中で
どれが1番強い免疫機能を持っているか
明らかにする。
~ティラピアの実験~
スズメ目カワスズメ科の魚類である
ティラピアを実験に使用した。
オス・メスの生殖腺(精巣と卵巣)、
肝臓、筋肉を採取し、サンプル液を作る。
それを、マウスのマクロファージに
反応させると、免疫に必要な「NO」という
物質が作られる。
このNOを作る能力がどれだけあるのかを
調べることで、生殖腺、肝臓、筋肉のうち
どれが1番強い免疫機能を持っているかを
明らかにした。
~ティラピアの実験結果~
オス・メスともに、免疫機能は
生殖腺>>>肝臓>筋肉
という結果になった。
ただ、卵巣の方が精巣よりも
免疫機能が強いという結果になった。
これは生殖腺のステージによる差では
ないかと考えた。
~生殖腺ステージについて~
生殖腺ステージとは、精子形成・卵形成が
どこまで進んでいるかということである。
精子の場合、精原細胞→精母細胞→精細胞
→精子という工程で精子が作られる。
この段階ごとに免疫機能に差があるのでは
ないかと考え、ウナギの実験によって
確かめることとした。
~ウナギの実験~
ウナギのオス10個体の精巣を採取し、
ティラピアと同様の方法で免疫機能を
調べた。
また、それぞれの生殖腺ステージも、
顕微鏡で細胞を見ることで調べていった。
~ウナギの実験結果~
生殖腺ステージと免疫機能の結果を
照らし合わせたところ、
精子が形成された個体は
精子が形成されていない個体よりも
免疫機能が強いことがわかった。
これは、繁殖に向けて細菌などから
自分の身を守るためではないかと考えられる。
また、ティラピアの精巣と卵巣の差についても
生殖腺ステージの差によるものだと考えた。