山口のひとりごと。。

「ひとりごと」ですので、「そんな見方もあるんだな」くらいで流してもらえれば。

無題(2025.9.7)

※フィクションです

 

 

ある日、車を運転していたら、

車道の端っこにロードバイク

走っていた。

 

ピチピチのサイクルウェアを着た

スポーティーなお兄さんと

見える人だ。

 

俺は少し右に膨らんで

追い抜こうかと思ったが、

何せ道幅がかなり狭い。

 

右に膨らむと確実に、

センターラインを

越えてしまうだろう。

 

そんな中で、対向車が

とめどなく走ってきており、

ロードバイクを抜かすのは

難しい状況だ。

 

俺は思わず、

車の中で【舌打ち】をした。

 

《イライラ》しながらも、

ゆっくりと車を走らせる。

 

10台ほど続いた対向車が途切れ、

やっとそのロードバイク

抜かすことが出来た俺は、

サイドミラー越しに

お兄さんを覗いてみた。

 

お兄さんは、

“少し申し訳なさそうな表情”を

しているように見え、

5秒後には俺の《イライラ》は

消滅していた。

 

 

ある日、電車に乗る機会があった。

 

座席は埋まっており、

立ちっぱなしの乗客たちで

車内は混み合っている。

 

そんな中、ある駅で

ベビーカーを押した若いママさんが

乗車してきた。

 

混んでいることから、

その若ママは車内の奥の方へ

進むことはできず、

扉付近に陣取ってベビーカーを固定した。

 

「赤ちゃんを連れて、大変そうだなぁ」

と、なんとなく俺の視線は

その若ママへと向いていた。

 

扉が閉まって、電車が発進する。

 

そして次の駅に着いたとき、

何人か降りる人がいた。

 

若ママは一瞬、

降りる人を通すために

一旦降車しようかと思ったが、

車両とホームの間の僅かな段差が、

ベビーカーを降ろすには

意外と煩わしいのだろう。

 

まぁ、少しベビーカーを端へ寄せれば

人1人くらい通れるか、という

ギリギリのスペースは車内に

あったので、若ママは降車せず、

ベビーカーを寄せるという選択をした。

 

降りる人たちは、

やや細身になってベビーカーを

避けながら、車内からホームへと

出ていく。

 

5、6人が降車していったのだが、

最後に降りた小汚いオッサンが、

若ママに向かって【舌打ち】をして

出ていった。

 

邪魔だと感じるのはわかるが、

あからさまにそれを態度に出すとは、

なんと感じ悪い奴なんだ。

 

そのオッサンを見て、

俺は《イライラ》した。

 

若ママさんは

“少し申し訳なさそうな表情”をして

その場でうつむいていた。

 

俺の《イライラ》は後味悪く、

長い時間俺の体内に居座り続けた。