山口のひとりごと。。

「ひとりごと」ですので、「そんな見方もあるんだな」くらいで流してもらえれば。

小学校3年生のとき、同級生に暴行を受けて頭を縫った。でも、許した。

 

ある日の給食時間、友達のA君に、

「トイレの掃除用具入れに面白いものが

あったから、後で見に行こうよ」と

言われました。

 

給食後の昼休みの時間に、

A君を含む3人の友達と自分、

計4人で、トイレへ。

 

そして、言われるがままに

掃除用具入れに入った瞬間に、

A君は扉をバタンと閉めた。

 

自分は、掃除用具入れに

閉じ込められました。

 

情けないことに、

A君の罠にまんまと引っかかって

しまったのですね…

 

一緒に来ていたB君とC君は、

自分のことを「可哀想」だとは

思ってくれていたと思います。

 

でも、やはりA君に逆らうのは怖い、

そして、A君のこの「遊び」を

否定したくないという、

A君に対する優しさもあったと思う。

 

なので、B君・C君は、

その場にいながらも助けてはくれず、

笑いながら見ているだけ。

 

 

自分が何か、そんな意地悪なことを

されるようなことをしたわけでは

ありません。

 

そんなことをされる筋合いは

ないと思うのですが、

まぁ勉強が得意な方だったこともあり、

調子に乗っているように

見られていたのでしょうね。。

 

 

自分はずっと、掃除用具入れの中で

ジッとしていました。

 

途中で時々扉を押してはみるものの、

外から押さえられていて、

開けることはできません。

 

しかし、昼休みが終わる直前、

閉じ込められてから15分か20分くらいが

経ったときに、一か八かで

扉を押してみると、

A君の力が緩んでいたのか、

スっと開けることができた。

 

「あ、出れた」

 

そう思ったのも束の間。

 

自分では気づかなかったのですが、

どうやらそのときに、

自分がA君の足の小指を

踏んづけてしまったようなのです。

 

 

A君はそれにブチ切れました。

 

自分は胸ぐらをつかまれて

トイレの奥の方へと引きずられた。

 

抵抗することはできませんでした。

 

そして、和式トイレの扉のところにある、

パネルとパネルを仕切る金属製の骨格に、

ガンっ!

 

頭を打ちつけられて、

大量の血がブシャー、と…

 

A君はそれだけでは満足せず

和式便所の壁にも頭をガンガンと

何度も打ちつける…

 

壁には大きな血痕ができた。

 

さらに、

和式便所に足を入れられたりもして、

もう一度壁に頭を打ちつけられ…

 

そこでようやくA君は冷静になり、

自分がやっていることの重大さに気づいて、

その場から立ち去った。

 

はぁ…やっと終わった…

 

そのとき、「痛い」という感覚は

全くありませんでした。

 

屈辱的な気持ちはあったけど、

同時に弱い奴だと思われたくないという

プライドもあって、

ただただ自分は耐えた。

 

和式トイレから出てきた自分の姿を見て、

B君とC君は「血まみれじゃん!」

「大丈夫か?」と言い、

すぐに担任の先生を呼びに行きます。

 

そこで自分がとった行動…

 

それは、血で赤く染ったポロシャツを、

トイレの水道で洗っていました。

 

「自分で汚したんだから

洗わなきゃいけない」…って、

そんなこと考えてる

場合じゃないんですけどね。笑

 

本来なら、小学生がそんな目にあったら

泣きわめくのが普通だと

思うのですが、泣くこともなく、

静かにポロシャツを洗うという

行動を取った。

 

これが、自分という人間です。

 

 

 

その後、校長先生の車で整形外科に

連れて行かれ、頭を縫うことに。

 

縫うときはめちゃくちゃ怖くて、

そしてめちゃくちゃ痛かった。

 

そりゃ、頭に針を刺されるんだから

痛いに決まってる。

 

それからしばらくは、

頭にガーゼを貼った状態で

登校していたような記憶があります。

 

体育の授業はやむを得ず、見学に。

 

しかし、それほどのことを

されたにも関わらず、

その後も自分はA君と

友達であり続けました。

 

A君は良い奴だ、と知っていたからです。

 

A君を恨む気持ちは一切、

ありませんでした。

 

復讐しようと思ったことなんて

微塵もない。

 

A君は優しい人。

 

A君はいい人。

 

だから、自分は許すことができた。

 

頭を縫うほどの暴行を受けたのに、

その人を1ミリも恨むことなく許してしまう。

 

それもまた、自分という人間です。

 

そこは昔から変わらないのです。

 

好きな人のことは、許すのです。

 

前髪で隠れているので

たぶん誰も気づいてないと思いますが、

今も右眉の上あたりには

1センチほどのハゲが残っています。