先日聴いていたラジオの中で、
とあるラジオパーソナリティが
「賃上げできないって言うけど、
会社の中には内部留保が
あるはずなんだよ!」と
言っていました。
まぁ、この方は半分、
エンタメとして言っていると
思うんですけど、
真に受ける人も結構
いそうだなぁと思います。
実際、自分も「内部留保があるのに
なんで賃上げできないの?」と
思っていました。
ただ、内部留保ってそういうものでは
ないんだろうなぁと思います。
内部留保はつまり
企業の「黒字額」と思って
いいですよね。
しかしこれは、
全て現金というわけではなく、
「資産」ということなので、
土地や建物、保有株式などの
時価・査定額も入っている。
で、一昔前であれば、
企業はある程度思い切って
借金をしても良かった、と。
なぜなら景気が良いからです。
景気が良ければ、
企業は銀行からお金を借りて
設備投資をし、
順調に成長していける、という
サイクルが生まれるんですよね。
でも、バブルが弾けたことで、
銀行はたくさんの不良債権、
つまり「返って来ない借金」を
抱えることになりました。
例えばAさんが、土地の値段が
確実に上がると思って、
銀行から借金をして土地を買っていた、と。
そして、値段が上がったところで
売ろうと思ってたんだけど、
実際には値段が下がって
大損失を被ってしまった。
それによって、
借金を返せなくなってしまう、と。
それが、Aさんだけでなく
BさんもCさんも…と、
借金を返せない人が
大量に出てきてしまいました。
すると、銀行は貸し出しを
渋るようになって、
本当に借金を返す能力が
ある人か?というのを
よく審査しなきゃいけなく
なりました。
だから企業には内部留保が
必要なんです。
内部留保が充分でないと
いうことはつまり、
リスク管理ができておらず、
まともな経営ができていないという
ことになるので、
そういう企業に信用してお金を
貸し出すことはできませんからね。
お金が借りられないと当然、
設備投資もできないんですけど、
そうなると賃上げの実現は
難しくなります。
要は、貯金を切り崩してお小遣いを
増額するのは持続可能ではないけど、
貯金を投資してお金を増やすことで
お小遣いを増額するのは可能だよね、
みたいなことですよね。
例えば、ある会社で1日100個の
商品を作っていたところ、
商品を製造する機械を
導入したことで1日200個の
製造が可能になった、と。
そしたら、それによって
売上が伸び、そこで初めて
社員の賃上げが可能になってくる。
そういうことのために内部留保が
必要なんだろうと思います。
別に内部留保が多いからって
企業が埋蔵金を隠している、
とかではありません。