山口のひとりごと。。

「ひとりごと」ですので、「そんな見方もあるんだな」くらいで流してもらえれば。

【プロ野球】落合監督はなぜ荒木と井端のポジションを入れ替えたのかという話

菊池が10年連続のゴールデングラブ賞

獲得したというニュースを聞いて、

「そういえばアライバって何年連続で

GG賞獲ってるんだろう」と思って

調べてみました。

 

すると、荒木はセカンド、

井端はショートで2004年~2009年の

6年間、GG賞を受賞しています。

 

しかし2010年から、

荒木がショートへ、井端がセカンドへ

コンバートされているんですよね。

 

そこでGG賞の記録は途切れました。

 

 

 

なぜ落合監督は、6年連続でGG賞を

獲得したアライバコンビのポジションを

入れ替えたのか。

 

理由はいろいろあるようです。

 

 

まずは、井端の年齢的に、

ショートを守るのが少ししんどく

なってきた、と落合監督が判断したと

いうのが1つ。

 

それから、将来的にコーチになったときに、

複数のポジションを経験していた方が

教えやすいから、というのも1つ。

 

 

さらに、井端を大学時代に指導していた

人から、「井端はショートより

セカンドに向いている」という話を

落合監督は聞いたことがあるらしく、

落合監督も中日監督就任前から

そういう見解だったようです。

 

そのことがずっと落合監督

頭にあったことから、

コンバートという決断に至った、と。

 

 

それと、荒木と井端がそれぞれの

ポジションに慣れすぎてしまったせいで、

体で打球を追わなくなった、ということも

落合監督は指摘しています。

 

以前はギリギリまで体で追っていたのを、

「あ、この打球は捕れない」と

目で判断してしまうようになった。

 

それで、体で追わずに妥協するように

なってしまったということで、

新しいポジションに挑戦させようと

思った、というのもあるそうです。

 

チームに「アライバでも妥協は許されない」

という緊張感を与える効果も

あったと思います。

 

 

さらに、理由はもう1つある。

 

それは、荒木という選手を

より進化させるため、というものです。

 

荒木は守備範囲は広いものの、

スローイングにやや難があったんですよね。

 

そんな荒木を敢えてショートに回し、

三遊間から踏ん張って遠投、などの

プレーなどを経験させることで、

スローイング技術が向上する、と。

 

それで、2年くらいショートをやらせてから

セカンドに戻せば、より高いレベルの

セカンドになるのではないか、と。

 

落合監督はそう見込んでいたのです。

 

落合監督は2011年限りで

監督を退任していますが、

もし2012年以降も監督をやってくれと

言われていたら、

荒木をセカンドに戻す予定だったそうです。

 

そして井端をサード、森野をファーストに

回し、ブランコは年俸をつり上げて

残留させるのではなく、

他球団に持っていかれてもいいよ、と。

 

そこまで落合監督は計算していた、と。

 

だから、監督最終年の2011年には、

数試合ですが「セカンド荒木、

サード井端」という布陣も

試しているんですよね。

 

 

 

 

まぁ、結果的には落合監督は退任という

ことになって、後任の高木監督が

荒木と井端のポジションを元に戻しました。

 

井端は2012年にショートの

ゴールデングラブ賞に返り咲いています。

 

ただ、落合監督がセカンドやサードを

経験させていたことで、

井端は現役晩年、巨人で

「内野どこでも守れるユーティリティ」

としてチームに貢献することになる。

 

そして荒木も今、コーチとして

若手の土田などにショートの守備を

教えている。

 

それを考えたら、落合監督のやったことって

間違ってなかったよなぁ、と。

 

常識的に言えばアライバコンビの

入れ替えっていうのは

考えられない采配なんですけど、

それをやってしまうのが

落合監督の凄さだと思います。