山口のひとりごと。。

「ひとりごと」ですので、「そんな見方もあるんだな」くらいで流してもらえれば。

カープの応援歌を語ろう【菊池涼介編】

菊池の応援歌ですが、

 

__始まりの鐘が鳴る 広島伝説__

 

という前奏から始まり、

 

__光を追い越して

メーター振りきり 駆け抜けろ

止まらないぜ 韋駄天菊池__

 

と続きます。

 

 

プロ2年目の2013年から歌われている

この応援歌ですが、

最初は前奏はありませんでした。

 

「光を追い越して メーター振りきり

駆け抜けろ 止まらないぜ 韋駄天菊池」

という部分だけだったんですけど、

この歌詞はまさに、ブレイク当初の

菊池という選手を的確に表現しています。

 

 

 

菊池は簡単に言うと、

荒削りながら身体能力がずば抜けた

選手でした。

 

当時の野村監督が「ドラフト候補で

1番足が速いのは誰だ」とスカウトに聞き、

スカウトが「菊池です」と答えたことで

指名が決まり、カープに入団。

 

当初は考えてプレーするタイプでは

なかったし、ミスも多く、

圧倒的な身体能力の高さだけを

武器に野球をしている、という感じです。

 

ルーキーイヤーに、セカンドの

レギュラーだった東出輝裕

怪我により、一軍に昇格しました。

 

菊池のプロ初安打は鮮明に覚えています。

 

ライトフェンス直撃の当たりに

快足を飛ばして一気に三塁へ。

 

そして次打者のスクイズ

プロ初得点を記録したのですが、

それも、打者がバントしたかと思ったら

あっという間に画面上に菊池が現れ、

颯爽とホームインした。

 

あの足の速さは衝撃的でした。

 

 

当時はまだ荒削りでしたが、

スター性と身体能力はずば抜けていた。

 

そういう、菊池という選手への

期待感が、見事に表現されている

歌詞だなぁと思うのです。

 

「光を追い越して」というフレーズは、

まさにあのプロ初安打のときの

衝撃的な足の速さと、

スター性を表現している。

 

「止まらないぜ」というフレーズも、

走り出したら止められない、

ということと、

菊池の成長に対する期待感を

見事に表していると思います。

 

 

 

そしてこの応援歌に、前奏がついたのは

2016年の終盤です。

 

この年限りで引退を表明した

廣瀬純の応援歌に使われていた前奏を

引き継ぐ形で、菊池の応援歌に

使われるようになりました。

 

 

実は、菊池のお兄さんが廣瀬に

「是非、前奏を涼介の応援歌に

使わせて欲しい」とお願いしたことが

きっかけです。

 

廣瀬は「広島伝説という言葉は

キクにピッタリだ」ということで、

このお願いを快諾しました。

 

そう、応援歌ができた当初の菊池は

まだ荒削りな選手でしたが、

この頃にはもう伝説的な選手に

成長していたのです。

 

セカンドの守備は、歴代の誰よりも

凄いと言えるレベルにまで

到達しており、

メジャーリーグにも注目されるような

日本のスター選手になっていました。

 

そんな菊池に「広島伝説」という

言葉はピッタリですよね。

 

こうして、今の菊池の応援歌が

完成したというわけです。

 

 

 

さらに、音楽的に見てみると、

菊池の応援歌は「変ロ長調」という

調になっています。

 

変ロ長調では、シの音が「フラット」

(半音下がる)になるんですけど、

「止まらないぜ」の「な」の部分が

フラットではなく、普通のシの音に

なっています。

 

これは臨時記号という、

メロディをオシャレにするような

テクニックなんですけど、

これを取り入れることで

「止まらないぜ」の部分が、

聞いていて高揚感というか、

ワクワク感を感じるような

メロディになっているのです。

 

こういう音楽的なテクニックも入れていて、

かつ歌詞も菊池という選手を

的確に表現している。

 

かなりレベルの高い応援歌と

言えるのではないでしょうか。